こんにちは、さとるです。
僕は、以前から「心理学」に興味があって、しばしば本を読むのですが、
久しぶりに「これは面白い」と思えるトピックに出会ったので、
みなさんにシェアしていきたいと思います。
今回のテーマは「選択理論」です。
「人間関係に悩んでいる人」「ちょっとしたことでついついケンカしてしまう人」
にとって、とても役に立つ内容となっています。
ぜひ、最後まで読んでください!
目次
そもそも選択理論って何だ?
まず、選択理論とは
「人は外部からの刺激に反応する形で行動することはなく、必ず内部からの動機によって行動している」という考え方です。
要するに、「私の行動は、すべて私自身が決めているのだ!」と定義するということです。
もっと言い換えると、
「僕の行動を直接決めることができるのは、もちろん僕だけだから、他人が僕の行動を勝手に決めることなんてできないよね」
つまり、「やるかやらないかは、僕次第だぜ」理論です。
「えっ当たり前じゃん」と思うかもしれませんが、意外と盲点だったりします。
「勉強しない子供に、どうやって勉強させるか」
「やる気がない部下に、どうやってやる気を持たせるか」
「恋人に〇〇を分かってもらうにはどうすればいいのか」
「人の心を動かす(操る)〇〇心理テクニック」
どうでしたか? これらはすべて、「相手をなんとかして動かそう」としてませんか?
「自分次第理論」をやぶって、相手を直接コントロールしようとしてませんか?
「選択理論」と反対に、「人は外部からの刺激に反応する形で行動する」という考えは、「外的コントロール心理学」と呼ばれます。
つまり、
「私は、相手を直接行動をコントロールすることができる」
「私が〇〇すれば、絶対相手は△△してくれるはず」
(僕は、ジャイアン理論と呼んでいます)
と考える理論なのです。
じゃあ具体的にこの2つの理論は何が違うのかについて説明していきます。
例
ここでは、あえて「携帯」の例を出してみました。
よく思い出してもらいたいんですが、
まず「携帯が鳴る」ととりあえず携帯をみて電話の相手を調べますよね。
次に、相手が分かったらこう思いますよね。
「この人の電話にはでよう」とか「この人は苦手だから出たくないなぁ」とか。
みたいな感じで、最終的に「でるか、でないか」が選択されますよね。
そう。この感じ。「自分の行動をちゃんと自分で決めている」イメージ。
「自分の行動は、外部からの刺激じゃなくて、自分の反応によって決められている」イメージ。
携帯が鳴った(外部からの刺激)から電話でたのではなくて、
「携帯が鳴った、そして、出るか出ないか自分で判断した後、そのあと電話にでた」
これが、選択理論のイメージです。
当然、電話をかけている人は相手に無理やり電話に出させることなんてできないですよね。
でも「自分が電話を掛けたから、相手は絶対電話に出るはずだ、いやむしろでるべきだ」
と考えるのが「外的コントロール」理論なのです。
「何言ってんだ」と思いますよね。
今回は携帯なので分かりやすいですが、人間関係においては
「自分が電話を掛けたから、相手はそれに対して絶対電話に出るだろう」
的な考えで、動いちゃっている人が多いのです。(当然僕もやっていると思います💦)
じゃあ何で外部コントロールを使うのか
では、今度は外部コントロールによって引き起こされるトラブルについて説明していきます。
上記のように、
「おいお前。俺が電話を掛けたときは、絶対すぐに出ろよな」
って言われたら、ちょっと腹立ちますよね。(ジャイアン)
そうです、こんな風に「外的コントロール」を使うことは、
人間関係のトラブルにつながるのです。
じゃあ、人はどうして外的コントロールを使うのか。
基本的に人間関係の間で起こるトラブルは、「欲求が満たされない」ことによって行われます。
「欲求」とは相手に対して求めるもの、つまり「相手への理想」のことです。
「理想」は「期待」が膨らんだものです。
つまり「期待」が「理想」に変わり、欲求をつながるのです。
例
「もっと俺の彼女がおしとやかだったらなぁ」
「そういえばあいつの彼女は、品があったなぁ。羨ましいなぁ」
「やっぱり、女性はおしとやかであるべきだ」
「おいお前、どうしておしとやかじゃないんだ。おしとやかになれ」(ジャイアン化)
こんな風に、トラブルのおよそは、「相手に対する純粋な期待」が、「相手へ求める理想」に変化していったことが原因なのです。 (こうなって欲しい) (こうでないといけない)
例
親が・自分の子供に・「賢い人間になって欲しい」と期待する。
→勉強していない子供に対して、「勉強しなさい」と叱る。
彼女が・彼氏に・「もっと男らしい人になって欲しい」と期待する。
→優柔不断な彼の行動に腹を立て、彼氏にキツイ言葉をかけてしまう。
自分の身近な人に対して、大切に思うばかりに、「期待」が大きくなっていき、
次第に、膨らんだ期待と現実のギャップにより「私が相手を変えなければ」と思う。
その結果、トラブルが起こるのです。
期待することと、相手がその期待通りになることの間には、
「相手の選択」という要因が関わっています。
多くの場合、
その行動を決める権利を無視して、コントロールしようとすること(相手の選択の自由を奪うこと)でトラブルになっているのです。
じゃあ、「相手に何かしてほしい時」はどうするのか?
答えは、相手に選択の自由を与えたうえで、お願いするのです。
つまり、もし断られても、相手の選択を否定しない。
例A「〇〇してほしいんだけど、お願いできる?」
B「ごめん、できない」
A「そっか、分かった」
×「なんであんたはいつも断るの!」
相手の選択を受け入れる姿勢が大事なのです。
人間の行動のメカニズム
上記では、「相手の行動を選ぶ自由」を奪うと、トラブルになることを説明しました。
次は、「ほんじゃあ行動は、どうやって行われるの?」について説明していきます。
選択理論では、人間の行動は主に以下の4つの要素から成り立っていると考えます。
①行為 動作や表情
②思考 頭で考えること
③感情 気持ち
④生理現象 身体現象
具体例をあげます。
AさんがBさんがケンカしているとする。
そしてAさんはBさんと「なんとなく会いたくない」「何か言われたらどうしよう」と思考する。
するとAさんはBさんを避け、なるべく顔を合わせないようにする(行為)。
このときAさんの心の中は「気まずい」「怖い」「寂しい」といった感情が渦巻いている。
マイナスな感情につられて、Aさんの食欲はなくなる(生理反応)。
こんな感じです。
そして選択理論ではこれらを「全行動」と呼び、車の4つの車輪に例えてよく説明されます。
ポイントは、
「選択理論では、自らの行為と思考を選択することで、 自分の行動をコントロールできる」
つまり、「自分の行動を決める時には、行為と思考の選び方がカギとなる」ってこと。
行為と思考を選ぶことで、何通りかの自分の行動を選べちゃうのです。
そんでもって「どうしてあんなことしちゃったんだろう」みたいな後悔を減らすこともできちゃうのです。
(ちょっと胡散臭いですね)
全行動のうち前輪2つが行為と思考に当てはまり、 後輪2つが感情と生理反応に該当します。
車でも後輪が前輪に従っていくように、前輪である思考と行為に従って、後輪の感情と生理現象もついてくるのです。
重要な点は、基本的に「前輪のみコントロールすることができる」ということです。
思考や行為によって、感情や生理現象が決まる。
ということは、「怒り」や「悲しみ」も思考や行為によって選択されているのです。
例えば、誰かと話がかみ合わなくて、(どうしてこの人はこんなことを言うんだ)(この人ならわかってくれると思ったのに)と思う。
すると悲しいような腹立たしいような気持ちが湧いてきて、
「もう、どうして分からないの!」
と勢いで机を叩いてしまうかもしれない。
すると、怒りのスイッチONになり、ケンカが始まります。
じゃあケンカをしないためにはどうすればよかったのか。
この時、「感情」を制御しようとしても効果がありません。
「感情」は制御するものではなく、湧いてくるもの。
ここで変えるべきは、「怒りの感情」ではなく、「怒りの行動」なのです。
例えば一旦相手と距離を取って頭を冷やすなどして、「怒りの行動」を変える。
つまり「怒りの行動」外に出る前に、行為と思考を「怒り」とは別の方にハンドルを切ることが重要となのです。
もちろん、日常生活ではついついケンカすることもあります。
でも、そのケンカの途中で「ケンカ」していることに気づき、
うまく「行動」を変えることができれば、壊しかけた関係を保つことができるかもしれない。
「全行動」を知ることは、そのきっかけとなるものではないでしょうか。
基本的欲求=車のエンジン
選択理論によれば、人間には以下の5つの基本的欲求があります。
1.愛・所属の欲求(愛し愛されたい、誰かとつながりたい)
2.力・価値の欲求(自分の力と価値を感じたい)
3.自由の欲求(自分の好きなようにしたい)
4.楽しみの欲求(楽しみたい、知りたい)
5.生存の欲求(食べたい、眠りたい)
この欲求は人によって程度の差がありますが、誰もがもっているものです。
いわば、人間の行動の源=車のエンジンとなります。
自分がどの欲求が強いのか知ることで、自分の行動パターンに気づきやすくなります。
上質世界=欲求が満たされた理想世界=ハンドル
車輪、エンジンときて、最後はハンドルです。
選択理論の中で、「ハンドル」に当たる概念を「上質世界」と言います。
「上質世界」は、自分の欲求を満たしてくれるものを「イメージ」として保管する所です。
当然、「上質世界」は人によってさまざまです。
「好きな異性のタイプ」がさまざまなのもこのためです。
基本的に人は、この上質世界=欲求を満たしてくれるものを手に入れるために行動するのです。
また、最初の方で述べた、「期待」が「理想」に変化してしまう原因の一つには、「上質世界にいたその人のイメージがずっと残っているから」というのがあります。
「イメージ違う」→私が変えなければ!
例
付き合ってすぐのラブラブなカップル。お互いに「この人しかいない」と思っていた。
→お互いの存在を「上質世界」に保管していた。
しかし、付き合ってしばらくすると、ケンカが増え、結局別れてしまった。
→お互いの存在が「上質世界」から保管されなくなった=欲求を満たさない存在となった。
「年齢や環境などともに、変化していく」という点も、上質世界の大きな特徴です。
上質世界の考え方は自分にとって何が大切で理想なのかを、きちんと把握するのに役立つのです。
まとめ
いかがでしたか。
「理屈では分かったけど、うまくできるか分からない」
という方が多いのではないでしょうか。僕も同じです。
でも、僕はそれでいいんじゃないかなと思います。
「選択理論」という考えを知って、頭の片隅に置きさえすれば、
人間関係をもっとスムーズできると思うからです。
間違った時に間違ったときちゃんと気づけるみたいな。
言い換えるなら、選択理論は「人間関係を滑らかにするちょっとしたヒント」
だと思うからです。
最後まで見てくださってありがとうございました。
参考資料
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