現代文はシステマチックに解ける  下(実践編)【現代文勉強法④】

 

 

 

こんにちは、さとるです。

 

今回は、「現代文はシステマチックに解ける」後編です。

 

実際に、センター試験を解いていきます。

 

使用する題材は、

センター国語(2018年 平成30年度)の、

大問(一)の評論です。

 

時間制限は20分を想定しています。

 

ぜひ、「僕が文章をどう読んで、どう設問を答えたのか」という

思考回路に注目してみてください

では、一緒に頑張りましょう!

 

ちなみにこの記事は後編です。

前編を見ていない方はこちらから↓

現代文はシステマティックに解ける 上(マインドセット編)【現代文勉強法③】

 

問題のダウンロードはこちらから

404 Not Found | 独立行政法人 大学入試センター
大学入試センターの公式サイトです。大学入学共通テスト情報をはじめ、国公私立大学および短期大学などの情報提供に努めています。大学入学共通テストの最新情報や、過去のデータ、研究開発活動、法人情報などをご覧いただけます。

 

目次

セルフ実況&問題解説 問2

 

 

(①=段落1とします。②=段落2…)

設問解説以外の「僕の心の声」は斜体で表します。

 

 

 

まず、問題の数を確認します。

(今回は6問。そのうち6問目は、ⅰとⅱに分かれています。)

 

そのあと、注釈を見ます。

人の名前や、モノローグ、デフォルトについて書いてありました。

 

僕は、センター国語の場合は漢字を先に終わらせます。

(かかった時間は2分くらい)

 

漢字を終わらせてから、文章を読んでいきます。

(キーワードや論理を中心にさらっと見ていきます)

①、②は傍線部がないのでさらっと。講義の例ですね。

③に来ました。傍線があります。この段落は丁寧に読みます。

 

傍線まで来たら、設問を見ます。

 

設問解説

 問2 

傍線部A「講義のような、学生には日常的なものでさえ、素朴に不変な実在とは言いにくい。」とあるが、それはなぜか。

 

理由説明の問題です。

解き方の手順は、
Ⅰ文構造を確認。
Ⅱ前提(X)とその結論(Y)を確認。
Ⅲ飛躍したところを確認。
Ⅳ根拠を探す(Xの説明)

 

文構造を確認

(講義というような)比喩」、〈学生には日常的なもの〉主語」、

でさえ類推」、

素朴に不変な実在とは   言いにくい。述語

 

類推

ある事柄を強調的に例示し、それによって、他の場合は当然であると類推させる意を表す。…だって。…すら。「かな文字さえ読めない」

goo辞書より

 

 

 

前提(X)とその結論(Y)を確認

前提 

(講義のような)、〈学生には日常的なもの〉でさえ

 

結論 

素朴に不変な実在とは、言いにくい。

 

Ⅲ 飛躍したところを確認。

(講義のような)、〈学生には日常的なもの〉でさえ

 

Ⅳ 根拠を探す(Xの説明)

作者は、(講義のような)、〈学生には日常的なもの〉をどのようなもの考えているか確認。

③の2~4行目

「講義の語りの…、以上のような多様な捉え方が可能である。」

「世界は多義的でその意味と価値はたくさんの解釈に開かれている」

「世界の意味と価値は一意に定まらない」

 

よって、

 

(講義のような)、〈学生には日常的なもの〉=日常的な普通のもの

でさえも

多様な捉え方が可能であるから、

素朴に不変な実在とは、言いにくい。=変わらないものとして受け止められることがある。

 

 

以上により、

その解釈が多様な可能性をもってより…」をふくむ選択肢2を回答。

 

ここまで、大体5分くらいです。

問3

 

④を飛ばして、⑤を読む。筆者の「デザイン」の定義が語られている。

⑥、⑦ともに定義が語られている。

⑧はその定義のまとめっぽい。

「私たちはこうした自分たちの活動のための環境の改変を、人間の何よりの特徴だと考える。

そして、こうした環境の加工を、デザインという言葉で表そうと思う。」

 

⑨話の流れが変わった。新しい話題。

「現行の秩序を別の秩序に変え、異なる意味や価値を与える」

⑩傍線部あり。

設問解説

傍線部B「図1のように、…」

本文の内容を踏まえて、空欄に入る最も最適なものを、…選べ

 

生徒の会話の空欄補充

 

空欄補充問題も、普通の文章問題のように文構造の確認から始めます。

 

空欄を含む分の構造を確認。

 

それじゃ、

(デザインを変えたら)〈扱い方を〉必ず 変えなければならない 

ということではなくて「対比」

(  □  )ということになるのかな

 

となっています。

つまり、

デザインを変えたら扱い方を必ず変える」のではなく、

(扱い方を)□」にする

ということである。

 

ここでは扱い方をどうするかが聞かれています

 

これに加えて、直後の文の

「そうか、それが(□が)

『今とは異なるデザインを共有すること』によって、

『今ある現実の別バージョンを知覚することになる』ってことなんだ。

 

を踏まえると、

 

それじゃ、

(デザインを変えたら)〈扱い方を〉必ず 変えなければならない

ということではなくて、

『今とは異なるデザインを共有すること』で

『今ある現実=(扱い方)の別バージョンを知覚することになる』

 

『』の部分を言い換えると、

異なる扱い方を知ることで、前とは異なる扱い方ができることに気づく」ということです。

 

よって選択肢⑤を選びます。

 

(ここまでで7分経過しました)

 

 

問4

⑪、⑫、⑬は問3に関わる段落ですが、

話の展開はなく、内容は先ほどの問題でざっくり把握したので完全スルーします。

 

⑭は、デザインを「対象に異なる秩序を与えること」と定義。

また、「知覚可能な現実を変える」というワードが2回でてます。

 

⑮、傍線部があります。丁寧に読みます。

 

問4

傍線部C「このことは人間を記述し理解していく上で、大変重要なことだと思われる」

とあるが、どうしてそのように考えたのか。その理由として最も適切なものを選べ

 

理由説明です。

解き方の手順は、
Ⅰ文構造を確認。
Ⅱ前提(X)とその結論(Y)を確認。
Ⅲ飛躍したところを確認。
Ⅳ根拠を探す(Xの説明)

 

設問解説

文構造を確認。

〈このことは〉 人間を記述し理解する上で、

大変重要なことだと 考えられる

 

前提(X)とその結論(Y)を確認。

前提 

〈このことは〉 人間を記述し理解する上で、

結論 

大変重要なことだ と考えられる=大変重要である

 

飛躍したところを確認。

〈このこと〉

 

根拠を探す(Xの説明)

〈このこと〉指示語なので、前の文章を確認。

〈このこと〉=人間の文化と歴史を眺めてみれば、

人間はいわば人間が「デザインした現実」を知覚し、生きていること。

 

指示語の内容は分かりましたが、

その中に「デザインした現実」という特別言語があるため、

その内容を深堀していきます。

 

デザインした現実」=⑮1行目より、「現実は、価値中立的な環境ではない」

2,3行目より、「文化や人工物の利用可能性や、文化的実践によって変化する、

自分たちの身の丈に合わせてあつらえられた私たちのオーダーメイド現実

 

つまり、

「デザインした現実」自分たちに合うように、環境に手を加えることでできた、私たちのオーダーメイドな現実。

 

ということになります。

 

この問題は、指示語と「特別言語」を含む問題でした。

何だか内容説明の問題にも近いですね。

 

回答のポイントは、

〈このこと〉の内容

「デザインした現実」の内容です。

 

以上を元に回答を作ります

前提 

人間の現実は、自分たちに合うように、環境に手を加えることでできたものである。

(現実の説明)

そのため、人間はそうした現実を知覚し、生きていることは、

(このことの説明)

人間を理解し記述していく上で、

 

大きく関わっていくことなので、

 

結論

大変重要なことだと 思われる

 

以上により、3を選択しました。

 

問5

 

⑯から話題が変わりました。「さて~」

「あるデザインによって変化した行為を「行為’」と呼ぶ。」

「異なる現実が知覚されている」

⑰、⑱も「’」について書かれています。

 

⑲は傍線部があります。丁寧に読みます。

 

問5

「『心理学’』の必要性」とあるが、それはどういうことか。

 

きました。内容説明の問題です。

 

設問解説

手順
Ⅰ文構造の確認
Ⅱ「その言葉だけでは何を言っているか分からない言葉(指示語、比喩、特別言語)を確認
(特別言語は筆者のオリジナルの言葉を指します)
Ⅲ根拠を探す

 

 

文構造の確認

(Sは)「心理学’」の必要性を 指摘しておきたい。

主語が欠けていますが、特に問題はないです。

 

「その言葉だけでは何を言っているか分からない言葉(指示語、比喩、特別言語)を確認

 「心理学’」

特別言語です。

 

Ⅲ 根拠を探す

傍線部の後ろの文には、

人間の、現実をデザインするという特質が、人間にとって本質的で基本的な条件だと

思われるからである」

と書いてあります。

この文は傍線部の理由説明となっています。

 

次に、「心理学’」についての説明を探すと、

・これまで心理学が対象としてきた現象である

文化的歴史と不可分の一体

・「心理学’」=「文化心理学」

「文化心理学」=人間を文化と交じり合った集合体

 

要するに、

「心理学’」は人間と文化というものを一体に考える学問である

ということです。

 

以上により回答をしましょう。

 

「心理学’」の必要性を 指摘しておきたい。

 

自らに合わせて環境に手を加える(現実をデザインする)ということを基本的条件とし、人間と文化を不可分なものとして考える

「心理学’」が 必要であること

 

これにより、選択肢①を選びます。

 

選択肢には、従来の心理学の説明もポイントにありましたが、

選択肢を1つに絞れているため、確認はせずに僕は次に行きました。

 

④も一見あっているようにみえますが、

「デフォルトの環境デザイン」という部分が明らかに違います。

「デフォルト」=初期設定でありますから、

「デフォルトの環境」では人間の行為が反映されていない、人間が存在していない環境ということになってしまいます。

 

 

この問題までで、14分たちました。

問6

 

ⅰ この文章の段落の表現に関する説明として適当ではないものを選べ

 

この問題は、1つ1つの選択肢と本文を照らし合わせる必要があります。

 

1、2ともに問題なしです。

 

3は少し「謎」だなと思いました。ですが、明らかな間違えではないので保留にします。

 

4⑧の「私たちはこうした~考える。」(筆者を含む学者の立場としての「私たち」)

「~、私たちは繰り返されてきたのだ。」(人類すべてとしての「私たち」)

という意味であり、明らかに筆者の主張に読者を巻き込む効果はないので、

4が間違いです。

 

細かいですが、丁寧に照らし合わせるときちんと正解が選べますね。

 

文章の構成に関する説明として適当なものを選べ

 

この問題は、結構難しいです。

個人的には、今までで一番難しそうです。

 

これも、選択肢と照らし合わせていきます。

 

1 

途中までは良いですが、この文に当てはめますと、

序盤「具体例=講義」 展開「デザイン」 最後「心理学’」

となりますが、「デザイン」の該当例が「心理学’」とはなりません。

よって「最後に該当例を~」が誤りです。

 

2 

具体例を複数列挙して共通点を見出し、~一般化して抽出~

が明らかに違います。

「講義」=現実は多様である例

「コップ」=デザインによって扱い方が変わるの例

共通点はありません。

反対意見の反論」の部分が違います。

今まで読んできて、そんな部分がありませんでした。

 

 

例「講義」→抽「世界は多様」

例「コップ」→抽「その世界をデザインしている(扱い方)」

例「行為’」→抽「そのデザインした世界に影響を受けている」

 

このように例を提示した後、抽象度を高めて例を捉えなおすことを繰り返してます

 

よってこれが4が正解です。

 

僕は、消去法を使って選択しました。

 

以上で問題は終わりです。

 

時間は18分30秒ほどかかりました。

 

丁寧に読みすぎたのか、

受験生の時から時間がたってしまっていることもあったのか、

結構時間が掛かりました。

 

まとめ

どうだったでしょうか。

 

実際に僕が解いていたように、セルフ実況・解説していきました。

 

問題を解いていくときのポイントとしては、

1 決まった手順で解く

2 できるだけ消去法は使わない

3 メリハリをつけて読む(傍線部がない段落は、キーワードと論理だけ確認)

ということです。

 

これらはすべて、

時間制限が厳しい」からこその読み方です。

 

ただし、時間制限があるから、雑に読んでいるのではなく、

現代文の客観的ルールに従って、問題を読み、設問を解いているのです。

システマチックに読んで、手順をしっかり踏めば、

「無駄のない」、「時間が掛からない」解き方ができます。

また、一か八かのような回答をする必要もありません。

 

「まさに、客観的ルール、サイコー」

これまで、4回に渡って、「現代文は客観的ルールに従って読む」

 

ということついて書いてきましたが、

 

最後にもう一度言わせてください(笑)

「客観的ルールに従って読む」ことこそが、

入試現代文を克服するカギである

 

以上で現代文シリーズは終了です。

 

これを読んでくださった方の、勉強の手助けになれば幸いです。

 

ありがとうございました。

 

最後に僕が受験生の時に使用した参考書紹介します。

 

レベル1 現代文入門

比較的に短い文で構成されていてサクサク進めることができます。

ここで「現代文では基礎的な読み方と解き方」

について理解しましょう。

 

レベル2 基礎

長めの文章を読みながら、

「システマチックな現代文の解き方」について学べます。

私大多い、空欄補充や脱落文補充などの問題も扱っています。

個人的にもこの本によって、現代文の捉え方が変わりました。

良本です。

 

レベル3 センター

いよいよセンター過去問です。

センター試験は、解答の根拠がしっかり提示されており、

自分の読解力を成長させるのに適しています。問題の質が高い。

今まで勉強したことを使いながら、「自分の実力」を計りましょう。

レベル4 難関大

「難関大に行きたい」という方にオススメします。

難関大学で配点の高い読解問題を解くために重要な読み方を学べます。

特にこの本は「文と文」の関係性にフォーカスしています。

ぜひ手に取ってもらいたいです。

記述

記述に特化したトレーニングができるため、国公立受験者にオススメです。

過去問をする前に取り組むのがベストです。

↓勉強についての記事ははこちらから

勉強の記事一覧

コメント

タイトルとURLをコピーしました